インフルエンザの話

インフルエンザウィルスを病原とする気道感染症です。普通の風邪は、のどの痛み、鼻水、くしゃみや咳などが中心で全身症状はあまり見られませんが、インフルエンザの場合は38度C以上の発熱、関節痛、筋肉痛などの全身症状が強く、あわせて普通の風邪症状も見られます。さらに気管支炎、肺炎、小児では中耳炎、熱性けいれんなどを併発し、重症化することがあるのもインフルエンザの特徴です。

予防の基本は、流行前にワクチン接種を受けることで、重症化防止の方法として有効と報告されています。効果が現れるまでに通常2週間程度かかり、約5ヶ月間その効果が持続するといわれていますが、個々人に差があります。少なくとも12月上旬までには接種をすまされることをお勧めします。2回接種の場合は1回目から1~4週間あけて接種しますので1回目をさらに早めに接種しましょう。最も効果が高いのは1回目と2回目の間隔がおよそ4週間の場合とされています。インフルエンザワクチンではSARSはもちろん、他のウィルスによる「かぜ」にも効果はありません。ワクチン接種をする場合には、かかりつけ医と相談のうえ受けてください。なお、通常6ヶ月未満の乳児には接種しません。授乳婦はインフルエンザワクチンを接種しても支障はありません。

インフルエンザはインフルエンザにかかった人の咳、くしゃみ、つばなどと共に放出されたウィルスを吸入することによって感染します(飛沫感染)。インフルエンザにかかって咳などの症状がある方は特に、周りの方へうつさないために、マスクの着用が勧められます。単なるかぜだと考えずに早めに医療機関を受診し治療を受けましょう。

インフルエンザ治療薬として抗ウィルス薬は医療機関で診察のうえ使用できます。インフルエンザにかかった時に使用を避けなければならない解熱剤がありますのでご注意ください。安静にして休養をとり、睡眠、水分を充分に摂ることが大切です。